防災まちづくり

厳寒時季における「非常避難宿営耐寒訓練」

優良事例
(一般部門)

厳寒時季における
「非常避難宿営耐寒訓練」

柴の里自主防災会
(京都府長岡京市)

事例の概要

 私たちは、阪神・淡路大震災の余波を受けて、地震の恐さを体験した。その教訓を生かして『災害に挫けない町』をめざして、平成8年8月に、長岡京市での第1号としての自主防災会を結成した。その目的理念は、地域住民が心からふれあい連帯の絆を深めて、地域に自主防災の環境基盤をつくることである。そこから生まれるパワーが有事の際に力強いエネルギーとなって発揮されることと信じる。
 まず『いい挨拶、いい笑顔』の輪を、向かう三軒両隣から地域全体に広げていく、あいさつのネットワーク運動からはじめた。
 自主防災の組織編成は、①各専門隊長にA=昼間在宅者、B=若手を配置し有事に対応、②機動班を設けて若手を配置し有事の機動性と後継者育成、③高齢者対策隊を設け介護経験者を配備、④自主防災会は自治会の直轄組織として非常時には自治会非常対策本部に編入して指揮を一元化、をポイントとして行った。
 自主防災活動については『備えあれば憂いなし』をスローガンに『私たちの町は私たちが守る』の気概と使命感をもって、常に、地域住民の自主防災意識の高揚をはかり、有事に備えて自主防災のための知識技能の研修につとめ、結成以来、独自の訓練メニューを盛り込んだ総合防災訓練、緊急出動集合訓練、救命講習訓練などを、消防署の指導のもと毎年訓練内容を充実しながら年間恒例行事として実施している。
 平成20年は、柴の里誕生40周年記念を迎え、記念事業の一環として2月に総合防災訓練(給水訓練、日中訓練、耐寒宿営訓練)を2日間実施した。災害が発生し避難生活を余儀なくされたという極限の悪条件を想定した『非常避難耐寒宿営訓練』は平成19年に続き再度挑戦し、新しい体感体験を重ねた。目的は、極寒の過酷な環境条件の中で住民が身をもって体感、体験することで避難防寒対策のノウハウを探求して確立することである。とりわけ宿営耐寒訓練は2年目を向かえ、その貴重な訓練結果は、『避難・宿営・防寒対策KNOW-HOW』に追加編集して、関係諸機関、地域住民にも公開して、永久保存し、非常時に役立てている。

防災訓練会場

全員が煙体験ハウスで煙を体験

親子でご飯炊き体験(アルミ缶を使用)

女性を中心に初期消火訓練を実施

2日目の訓練は「自主防災会隊員の出場訓練」「車椅子による避難訓練・地域住民の避難誘導訓練」から開催

苦労した点

 参加者からは、やはり宿営訓練での意見が多く、訓練開催場所が電車道脇の公園であるため、列車通過時の騒音・氷点下に及ぶ寒さで熟睡ができない者が多い。
 また、ベッドの幅が狭く寝袋では動きが制限されたので、足の痙攣(エコノミー症候群)のような症状が発生した。平成19年は雨天の、雨水の浸入が見られるテントがあったので平成20年は万全の体制で挑んだ。ペットボトル湯たんぽを使い寝入ったが、効力は3時間程度で夜半からは京都特有の底冷えが一段と増し、数回トイレに行く者もいた。一夜限りと思い過ごせたが、高齢者対象で数日間となれば厳しく、寝不足から昼夜が反転する生活に移行するのではないかと感じた。

特徴

 テントを設営する際に追加でシルバーシート・ブルーシートを活用すれば、外気をかなり遮断することができる。雨天を予想してテント周囲に溝を設けると雨水の浸入を防げる。床面については、段ボール等を敷くと断熱効果・湿気防止効果がありすごく有効である。スノコを活用すれば突然の浸水にも役立つ。
 着衣は厚手のジャンパー・羽毛ベスト・フリース等で暖は取れるが、雨合羽や大型のビニール袋を着用することで、極めて有効な暖房効果を発揮する。非常持ち出し袋に入れておきたい物の一つである。

団体概要

 長岡京市長の要請もあり、自立組織としての自主防災会を平成8年8月に乙訓地域での第1号として結成。役員、スタッフ、機動隊、そして専門隊(情報・消火・救出救護・避難誘導・給食給水・高齢者対策)で構成する。隊員は、役員スタッフ・機動隊が40名。各A・B隊長・隊員(自治会班長、副班長~毎年交代)50名で編成している。世帯数363人。

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