防災まちづくり

地域と協働した消防団員確保・入団促進及び環境整備

優良事例
(一般部門)

地域と協働した消防団員確保・入団促進及び環境整備

松阪市消防団
(三重県松阪市)

事例の概要

■経緯

 平成17年1月1日松阪市は、松阪市・嬉野町・三雲町・飯南町・飯高町の1市4町で合併。それに伴い各市町の消防団は、新しく松阪市消防団として統一された。定数は、それぞれの団員定数を合計すると1,420名であり、それに対する実員数は1,319名と101名もの欠員が生じる。これ関し協議を続ける中、過疎化の進む山間部では、消防団員の担い手が少なく、補充は困難であり、定員削減という意見も聞かれた。しかし、近年危惧される地震等による大規模災害に備え、消防力を強化すべきとの見地に立ち、定員削減よりも定員数まで団員補充する必要があるとの結論に至り、消防団員確保に取り組んだ。その結果、平成19年9月1日に定員1,420名を確保することができ、定員確保以降も、団員の安全管理、福利厚生を充実させ、消防団が活動しやすい環境づくりをはかっている。

■実施内容

  • 1 団員確保のための主たる取り組み
    • (1)組織機構改正
       人口が減少している地域(山間部)の欠員補充は難しいことから、団員数の減少を補完するため、軽四輪小型動力ポンプ付積載車導入等の施設整備を行い、機動力を充実させ、各班の活動範囲を広げ、区域間の協力体制を強化することで、災害時の要員数を補い合うことができた。新興住宅等、人口・世帯が増加した地域(市街地)や高層ホテル・マンション・歓楽街の多い地域は、分団の新設や班を分団に昇格することにより増員をはかった。
       この改正は、自治会単位の区域をベースにし、住民又は団員の生活単位に十分配慮し、更に地域住民から理解が得られる組織となるように団と市で協議し決定した。
    • (2)団員確保の具体的な取組み
       松阪市政の重点施策に、消防団組織の見直しと消防体制の強化を掲げ、関係地区の自治会に出向き、団員募集の説明を行うと同時に意見を集約し、地域の理解と協力を得た。
       更に市内主要事業所へ広報配布やポスターの掲示、新聞、ホームページの活用等、広報活動を展開するとともに、消防団及び消防職員OBにも協力を要請した。
  • 2 消防団活動の環境整備に関する取り組み
    • (1)消防団緊急伝達システム
       ① 消防団波の活用
       平成15年度から計画的に、許可を受けた消防団波の携帯無線機を団長以下各分団まで120基配備するとともに、幹部団員を対象に第3級陸上特殊無線技師を養成し、現場活動の指揮統制がとれる体制を確立。特に火災現場や山間部の捜索・救助活動で、各分団の指揮統制に威力を発揮し、大災害の緊急時についても瞬時に活用できるよう、消防団の緊急伝達体制を整備。
       ② メールの活用
       団員の緊急連絡、緊急呼び出し等は、消防団事務局が団幹部、分団幹部へ一斉メールを送信し、迅速に伝達できるシステムを構築。
    • (2)団員の安全管理
       ① 安全運転研修
       消防車両等の緊急走行における事故防止を図るため、平成15年に「消防用自動車の安全運行に関する基本」を定めた。平成19年度からは全機関員を対象に自動車学校での運転適性検査、消防車両を使用しての緊急運転診断、同乗者確認診断等の安全運転研修事業を実施。
       ② 安全管理の徹底
       現場活動の安全について基本から見直し、危険回避等の研修を行い、災害現場での安全管理の徹底に努めている。
       平成20年度から、安全管理の徹底を図るため、現場で自己団員の活動を監視し、危険行動等の危険要因を排除する安全管理員と、現場指揮本部と現場活動中の分団長の無線連絡を専門に行う伝令員を各分団に設置し、無線及び安全管理の訓練を実施。
       基本装備として、ヘルメット、消火作業用手袋、底鋼板付長靴等の安全装備品を全団員に支給し、前述の安全管理員と伝令員には、それぞれ反射ベストと腕章を装備し、現場での事故防止を図っている。
    • (3)福利厚生事業
       団員の健康管理のため、「松阪市消防団員健康管理規程」を定め、団員の健康管理の保持・増進に努めている。自営業の団員等は健康診断を受ける機会が少ないことから、平成19年度より、血液検査、尿検査、胸部X線撮影等の健康診断を実施。被雇用者団員については、会社等で実施された診断結果において、要二次検査等の必要な団員は再受診するよう指導する等、各分団で団員の健康管理を行っている。
    • (4)消防団協力事業所表示制度
       団員の勤務する事業所へ消防団に対する協力依頼を行うことは、団員がより活動しやすい環境を整備することにつながり、団員確保の一策であることから取り組みを行った。
       平成19年4月1日に消防団協力事業所表示制度の要綱を定め運用を開始し、同年4月3日に9事業所、同年12月21日に4事業所を認定。

19.11.10 防火パレード
(火災予防運動をPRする女性消防団)

安全運転研修(CRT)

無線訓練

消防団携帯救助資機材配備

協力事業所表示証交付

苦労した点

  • 1 まず、どんな形でメッセージを伝えていけばいいかを決めるときに悩んだ。
  • 2 劇やファッションショーを“演じる”という経験があまりなく、戸惑いがあった。
  • 3 セット、大道具の準備や劇等の練習に多くの時間がかかった。
  • 4 劇やファッションショーには多くの人員が必要になるため、人集めが困難になるときがある。

団体概要

  • 消防団長 田所照朗
  • 定  員 1,420名(実員1,420名)
  • 松阪市人口 171,332人(平成20年8月1日現在)
  • 世 帯 数 67,512世帯(平成20年8月1日現在)

実施期間

平成18年~

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