消防の任務

消防の任務のうち、主なものは次の通りです。

■消火活動

 火災発生の知らせが入ると、消防本部の司令室より消防隊の出場指令が出されます。消防隊は通常5人一組で構成され、事前に定められている出場計画に基づいて、1隊~数隊の消防隊が出場します。都市部などでは最初に出場する第1出場で10隊以上の消防隊が出場する地域もあり、火災の規模が大きい場合などは、さらに第2出場、第3出場が行われます。

 消火活動で最も重要なことは、人命検索(救助)と初期消火です。先着隊として火災現場に到着した消防隊は、部隊の指揮隊長の指示のもと、最優先で人命検索を行います。また、出場から6.5分以内の放水開始を目標に消防力の整備が進められています。

■救助活動

 救助隊は、人命救助を行うために必要な特別な救助器具を装備した消防隊です。救助隊は通常の火災の他、交通事故や水難事故、特殊災害など幅広い災害現場に出場します。

 救助活動は迅速かつ確実・安全な活動が求められ、また近年では高度かつ専門的な知識が不可欠となってきていることから、消防活動の中でも最も困難な活動と言えます。

■救急業務

 救急業務は消防の出動回数の過半数を占める、地域住民との関わりが最も深い業務です。救急隊は通常3人一組で活動し、搬送中必要があれば応急処置を行います。特に救急救命士の資格を有する救急隊員は、より広範な応急処置を行うことができます。

 救急業務が昭和38年(1963年)に消防の業務として正式に位置づけられて以来、救急出場件数は増加の一途をたどっており、初めて500万件を超えた平成16年以降もほぼ一貫して増加傾向を続けています。平成28年中における救急出場件数は約620万件であり、平均すると5.1秒に1回の割合で救急隊が出場し、23人に1人が搬送されたことになります。

 高齢化の進展等に伴い、今後も救急需要は増加し続けるものと考えられますが、消防庁では救急要請時や救急現場におけるトリアージ(傷病者の緊急度や重傷度によって、治療や搬送の優先順位を決めること)システムの確立や、救急搬送業務における民間活用等、救急需要の増加への対応策について検討しています。

■火災予防

 消防業務において、火災予防は火災等への対応と並んで非常に重要な業務です。

 予防業務の枠組みは発生した様々な事故を教訓に、火災予防に関する規制が充実強化されてきました。

 「防火管理制度」は、学校、病院、百貨店等、多数の人が出入りする施設を「防火対象物」として定め、これらの施設では「防火管理者」を選任し、消防計画の作成や消防用設備の点検・整備等、防火管理上必要な業務を行うことを義務付けたものです。

 消防機関では、立入検査などで適切な防火管理が行われているかどうかを確認し、危険が認められれば改善の措置命令を行うことができます。

 また、「防火対象物」には消火設備、警報設備、避難設備などの消防用設備等を設置しなければならないこととなっています。

■危険物規制

 消防法によって定められている「危険物」は、一般的な危険物のうち火災の危険性が高く、常温常圧で液体又は固体のものに限られます。危険物は、その性質によって第1類~第6類に分類されていますが、そのうち最も代表的なものは、石油類を中心とした第4類の引火性液体です。

 一定数量以上の危険物を取り扱う施設は「危険物施設」として、貯蔵・取扱に関する各種の規制を受けます。また、危険物取扱者以外の者は、その立会いがなければ危険物を取り扱ってはならないこととされています。

■その他の災害への対応

 林野火災、風水害、火山災害、地震災害といった自然災害や、石油コンビナートにおける災害、原子力災害、毒劇物災害、地下施設やトンネルにおける災害といった各種災害に対して、防災体制の充実強化に取り組んでいます。

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