1.津波を知る

我が国は、海洋性地震、火山、地滑りにより津波が繰り返し発生し、沿岸域に多大な被害を起こし、代表的な自然災害の1つとなっている。日本近海で発生した津波は、天武十三年(684)から1996年までの1,313年間で195を数える。6.7年に1回程度の割合で発生しているが、洪水や地震災害などと比べるとその頻度は少なく、大きな災害を繰り返している割には住民の津波に対する認識は低い。確かに滅多に起こらない津波について知ることは容易ではないからである。この企画では、いくつかの資料や津波痕跡の紹介、伝承・石碑などの災害文化、科学的な津波の発生・伝播のメカニズムと数値シミュレーションによる可視化、堆積学的なアプローチによる科学的検証など社会・自然科学を融合させた多彩な内容を折り込み、津波事象と災害の像を描き出していきたい。

  我が国では災害を繰り返さない住民の知恵、地域の対策がある。数十年に一回発生する巨大津波を忘れないためにはどうすればよいのか、沿岸で防ぐ方法は何か、を考えていく。三陸田老町での防浪堤、石碑、過去の偉人などを紹介し、先人の苦労、工夫、現代でも残された課題を伝えたい。企画での最終的な目的が、実際に役に立つ知恵、情報を提供することである。津波から命を守る基本は逃げることであるが、いつ来襲するか分からない津波に対して迅速で適切な行動をとることは大変難しい。現在の津波警報、避難の実態を紹介し、自分自ら考え何が出来て何が出来ないのかを整理して貰いたい。

出典「ドキュメント災害史1703-2003」

2.石垣島での明和津波伝播CG

過去の津波を直接知ることは難しいが、過去の資料やデータをもとに数値モデルを作成し、これを可視化することにより具体的なイメージが生まれる。この図は、1771年明和地震津波を石垣島で再現したものである。当時、30mを越える津波が来襲したと言われる。

出典「ドキュメント災害史1703-2003」












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